
「冬は温かく、夏は涼しい家」で体の健康を保つ
「冬場のお風呂やトイレが寒すぎる」「エアコンを入れてもなかなか温まらない」「灯油ファンヒーターの前だけ温かい」「窓が結露してびしょびしょになる」「夏場の台所が暑すぎて料理をするのが辛い」「家の中で熱中症になりそうになる」…こんな経験があったり、いまもこのような状況に我慢をしていたりしませんか。
これまであまり気にされてこなかったことですが、実は「家の中の寒さ・暑さ」はわたしたちの健康に大きな影響を与えています。住まい夢ネット加盟住宅建築会社では家も体と同じように健康を第一に考え、屋外の寒さや暑さの影響を受けにくいばかりでなく、エアコンの熱気や冷気が外に逃げにくい「高気密・高断熱」な家づくりを行っています。このような「高気密・高断熱」の家は環境に負荷が少なく、結果的に家計への負担も比較的軽くなります。
以下は、寒い家、暑い家に住んでいると、実際に健康面でどんなリスクがあるのかをご紹介します。
- 家が寒いことのリスク
- ヒートショック
- 家が暑いことのリスク
- 熱中症

家が寒いことのリスク : ヒートショック
ヒートショックとは急激な温度変化により血圧が変動し、ショック状態になる健康被害のことをいいます。冬場の浴室やトイレで起こることが多く、特に高齢者や生活習慣病を持っている人は注意が必要です。暖房のない冬場の浴室で服を脱ぐと体温が急激に下がり、血圧が上昇します。そこで温かいお湯につかると今度は血管が拡張し血圧は急激に低下します。こうした10℃以上の温度差による血圧低下が心筋梗塞や脳卒中を引き起こす原因になり、命に関わる危険性があるのです。

<「人口動態統計年報 主要統計表」厚生労働省、平成21年>
入浴中の事故発生率は、交通事故の約2倍
2016年における高齢者の事故のうち、「不慮の溺死および溺水」による死亡者数は6,759人にもおよび、「交通事故」による死亡者数3,061人の2倍以上となっています。心筋梗塞などの発症のみの場合を含めると、実際に発生した入浴中の事故はそれ以上と想定されます。

ヒートショックが要因で起こりやすい疾患の死亡率に関する、地域ごとの統計。比較的温暖な、中国、四国、東海地方が上位を占める。<濱田直浩、 羽山広文 他「人口動態統計を用いた住宅内の安全性に関する研究:その7」、2012年日本建築学会学術講演会、2012>

家が暑いことのリスク : 熱中症
熱中症は炎天下の屋外で発生するイメージがありますが、実は熱中症の発生場所は屋外より屋内の方が圧倒的に多いことが明らかになっています(東京消防庁ホームページ2018年5~9月)。これは住宅の断熱性能が低いため太陽の熱が屋根や窓・天井や壁などから侵入し、そのまま部屋に閉じこもってしまうからです。そのため階数が上がるにつれて部屋が異常な暑さとなっていき、そんな状態をただ単にエアコンの効きが悪いだけと考えている人もいるでしょう。また高齢になると老化によって暑さを感じにくくなるため、熱中症になったことに気づかず症状の重症化を招く恐れがあります。

<平成22年の熱中症による死亡者数/平成23年12月1日公表の「平成22年(2010)人口動態統計(確定数)の概況」の「人口動態統計年報 主要統計表」に参考として掲載>
さらに今年は熱中症による一日の死亡者数が100人を超えることもありました。これはコロナ禍による運動不足で体力が低下し、筋肉量が減って体内で保持できる水分量も低下していることが考えられるので、例年に比べより慎重に過ごす必要があるでしょう。
家を高断熱・高気密化し、どの部屋もほぼ一定の室温になるよう保つことで、このようなリスクを減らすことができます。またこうすることは冷房コストやCO2の削減になり、結果的に長く健康に暮らすことにもつながるのです。


家にはかなりの「熱」が出入りしている
上の図から分かるように窓は一番熱の出入りが多い場所です。特に日本中に広く普及している複層ガラスのアルミ窓は極めて熱を伝えやすいため、多くの熱が出入りし、夏は暑く冬は寒い環境をつくってしまいます。断熱性能の高い家を新築する予定がないとあきらめないで、窓の性能を高めるリフォームをするだけでも、家の断熱性能を向上させることができます。一時的に断熱工事のコストがかかっても、光熱費のランニングコスト減や病院にかからないことによるの医療費削減や、さらには健康保険などの公的負担減などを考えると十二分に回収できると考えます。
部屋どうしの温度差がない健康的な家であれば体もよく動き、元気で活動的に過ごすことができます。ぜひ住まいづくりの参考にしてみてください。
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【高断熱リフォームの費用と優先順位/松尾設計室】
ヒートショックとはどういうものか?どういう家でどのように発症するのか?
解決策は高断熱リフォームにあり、現代の日本の住まいの問題とともに解説します。